車を売ろうと思って付属品を確認していたら、スペアキーが見当たらない。スマートキーは手元の1本だけで、もう1本はどこにしまったのか思い出せない。このまま査定に出すと大きく下げられるのでは、売る前に作り直したほうがいいのでは——と迷う人は少なくありません。
先に結論を書きます。スペアキーが無いと、査定では減額の対象になることが多いです。ただし、売る前にディーラーで作り直すと、その費用が減額幅を上回ってしまうこともあります。まずは家の中と車内を探し、見つからなければ「1本しか無い」と正直に伝えたうえで、複数の店の提示額を比べるのが損を避けやすい順番です。
仕組み①:買取店は「次に売るときの状態」で値段を考える#
買取店は、買い取った車を中古車として次の人に販売します。中古車を買う人の多くは、新車のときと同じように鍵が2本そろっていることを当然と考えています。
鍵が1本しか無ければ、店側は販売前にスペアを用意するか、欠品のまま値段を下げて売るかを選ぶことになります。どちらにしても店側の負担が増えるため、その負担分があらかじめ査定額から差し引かれる、というのが減額の仕組みです。
仕組み②:スマートキーは「作り直し」の手間が大きい#
昔ながらの金属の鍵なら、合鍵を作るのはそれほど難しくありません。一方、いまの車の多くに使われているスマートキーやイモビライザー付きの鍵は、車側に鍵の情報を登録する作業が必要です。
純正のスマートキーを追加するには、ディーラーで部品を取り寄せ、車と鍵を登録し直す手順を踏むことが多く、時間も費用もかかります。鍵の種類が新しく高機能なほど、欠品の影響は大きくなりやすいと考えておくとよいでしょう。どのくらい差し引かれるかは、車種や鍵の種類、店の方針によって変わります。
判断基準:売る前に作り直すかどうか#
「減額されるくらいなら、先に作っておけばいい」と考えたくなりますが、ここは慎重に判断してください。売却直前にかけた費用が、そのまま査定額に上乗せされるとは限らないからです。
作り直しを検討する前に、次の3点を確認しておくと判断しやすくなります。
- ディーラーで作り直す場合の費用と、仕上がるまでの日数
- 「スペアキー無し」の状態で、査定額がどのくらい変わるか
- 売却まで乗り続けるあいだ、鍵1本で不安が無いか
1と2を並べて、作り直す費用のほうが大きければ、作らずにそのまま売るほうが手元に残るお金は多くなりやすいです。ディーラーでの作り直しには日数がかかることもあり、そのあいだに相場が動く可能性もあります。売り時を逃さないことも大切です。
注意点①:安い社外品の合鍵で「そろえたこと」にしない#
純正より安く作れる社外の合鍵やスマートキーもあります。ただ、査定では純正品かどうかを見られることがあり、社外品を用意しても純正のスペアと同じ評価になるとは限りません。
売却のためだけに社外品を作るのは、費用をかけたわりに評価が伸びない結果になりがちです。付属品は「純正で、もともと付いていたもの」をそろえるのが基本、という考え方は記録簿や外した純正部品と同じです(点検記録簿が無いと査定は下がる?)。
注意点②:鍵の本数は査定の時点で正直に伝える#
スペアキーが無いことを言わずに査定を受け、引き渡しのときに1本しか渡せないと、契約の条件と違うとして減額の話になることがあります。あとから条件が変わるほうが、話がこじれやすくなります。
査定の時点で「鍵は1本です」と伝え、その前提で出された金額かどうかを確認しておきましょう。契約後の減額がどのような流れで起きるかは車の買取で契約後に減額されたときはどうする?で解説しています。
注意点③:売ったあとに見つかったスペアキーの扱い#
引き渡しが済んでから、引き出しの奥からスペアキーが出てくることもあります。その車の鍵は、売った時点で次の所有者のものになると考えておきましょう。
見つかったら、売却先の店に連絡して渡し方を相談してください。手元に残したままにしておくのは、防犯の面からも好ましくありません。引き渡し前に車内や身の回りの付属品をまとめて確認しておく段取りは車を売る前にカーナビの個人情報は消すべき?にまとめています。
まとめ:まず探す、無ければ正直に伝えて比べる#
スペアキーが無いと、査定では減額されることが多いのは確かです。それでも、売る前に慌てて作り直す必要があるとは限りません。作り直す費用と減額の幅を比べ、費用のほうが大きければそのまま売るほうが合理的なことがあります。
大切なのは、鍵の本数を最初に伝えたうえで、同じ条件で複数の窓口に査定を依頼することです。付属品の欠品をどこまで差し引くかは店によって考え方が違うので、1社の提示額だけで決めずに並べて判断しましょう。ほかに査定前にできる準備は車を少しでも高く売るコツ5つにまとめています。