「駐車のときに縁石でホイールをこすってしまった。売る前に直しておいたほうがいいのだろうか」——車の売却を考えはじめると、ホイールの縁に残った白っぽいガリ傷が急に気になってきます。タイヤの溝が減ってきている場合も、新品に替えてから査定に出すべきか迷うところです。
先に結論を書きます。浅いガリ傷やタイヤの摩耗は、売る前にお金をかけて直しても、その費用を査定額で取り戻せるとは限りません。修理や交換はせずにそのまま査定を受け、ホイールの汚れを落とすなど費用のかからない準備にとどめるほうが、損をしにくくなります。
ホイールの傷は「直すのに何が必要か」で見られる#
査定士はホイールを外装の一部として確認します。買取業者は仕入れた車を次の買い手に売るため、見ているのは傷そのものより、販売前にどこまで手を入れる必要があるかです。
ホイールの傷は、程度によっておおよそ次のように分かれます。
- 縁の表面をこすった浅いガリ傷:見た目の問題として、大きな減点にならないことが多い
- 削れが深い、広い範囲に傷がある:補修や交換が必要な状態として見られやすい
- ホイールが曲がっている、ひびがある:走行の安全に関わるため、部品交換が前提になる
浅い傷は業者が自社の仕上げ工程や提携先で安く処理できることが多く、評価への影響は限られがちです。一方、曲がりやひびは足回りへの衝撃をうかがわせるため、ホイール以外の部分まで詳しく見られることがあります。「表面の問題か、部品そのものの問題か」で評価が分かれる点は、フロントガラスの飛び石傷と同じです(フロントガラスの飛び石・ひびは査定に響く?)。
売る前のホイール修理が割に合いにくい理由#
ホイールのガリ傷は、専門店で補修してもらうと見た目はきれいになります。しかし売却前の修理には、割に合いにくい理由があります。
ひとつは、あなたが支払う修理代と、業者が減点として見込む金額が一致しないことです。買取業者は自社で仕上げる体制を持っていることが多く、外部の店に頼むより安く処理できる場合があります。結果として、修理代のほうが査定額の上乗せ分より大きくなることがあります。
もうひとつは、補修の仕上がりによっては「修理した跡」が目立つことです。色味や質感が周りと合っていないと、かえって手が入っていることが分かりやすくなります。ボディの小傷をタッチペンで塗る場合も同じで、線傷を隠そうとすると補修跡のほうが目立ちます(車の小傷はタッチペンで直して売るべき?)。ヘッドライトの黄ばみやフロントガラスの飛び石傷でも、お金をかける前に査定額を確認するのが基本なのは同じです(ヘッドライトの黄ばみは査定に響く?)。
タイヤの摩耗も、売る前の交換は慎重に#
タイヤの溝が減っている場合も、考え方はホイールと同じです。タイヤは消耗品なので、査定では溝の残り具合や製造からの年数が確認されますが、新品に替えた費用がそのまま査定額に上乗せされるとは限りません。
業者は仕入れた車のタイヤを、販売の段階で自社の仕入れ値で替えることができます。個人がカー用品店で買う値段とは差があるため、交換してから売るより、減ったまま査定を受けるほうが手元に残るお金は多くなりやすいのです。
ただし、溝が限界まで減っていて公道を走るのが危ない状態なら話は別です。査定や引き渡しのために車を動かす必要がある場合は、安全を優先して整備工場や販売店に相談してください。スタッドレスタイヤなど、車とは別に手元にあるタイヤの扱いはスタッドレスタイヤは車と一緒に売るべき?にまとめています。
費用をかけずにやっておきたいのは「汚れを落とす」こと#
修理や交換はしない一方で、ホイールの汚れは落としておく価値があります。ホイールには走行中のブレーキの粉(ブレーキダスト)が付きやすく、黒ずんだまま放っておくと、傷よりも汚れのほうが目立って車全体が古く見えます。
洗車のついでにホイールを洗っておくと、傷の程度が正しく見えるようになるのも利点です。汚れで傷が実際より大きく見えるのを避けられますし、査定士も状態を確認しやすくなります。洗車や車内の清掃と同じく「余計なマイナスを作らない」ための準備と考えてください。
注意点①:市販の補修剤で隠そうとしない#
ホイールのガリ傷には、市販のパテや補修ペンもあります。ただ、慣れない作業で仕上げると、塗った部分だけ色や艶が違って目立つことがあります。査定士は光の当て方や角度で状態を確認するため、表面を埋めても傷があったことは分かります。
売却前の段階では、補修剤で隠すより、洗ってそのままの状態を見せるほうが無難です。補修するかどうかは、これからも乗り続ける場合に考えれば十分です。
注意点②:社外ホイールと純正ホイールの扱い#
社外ホイールに替えている場合は、傷の有無とは別に、純正でないこと自体が評価に影響することがあります。外した純正ホイールが手元にあるなら、査定のときに一緒に見てもらえるよう準備しておきましょう(社外パーツやカスタムは査定にどう響く?)。
また、ホイールの曲がりやひび、タイヤの片減りなど、自分で気づいている不具合は先に伝えておきましょう。申告と実際の状態が違った場合、契約後に金額の見直しを求める条項が入っている買取契約もあるため、契約書の内容は事前に確認しておくと安心です。
まとめ:直さずに洗う、判断は査定額を見てから#
ホイールのガリ傷やタイヤの摩耗は査定で見られる部分ですが、評価を左右するのは「販売前に何が必要か」です。
やることは3つに整理できます。浅い傷やタイヤの摩耗は、修理や交換をせずにそのまま査定を受ける。ホイールの汚れは洗車のついでに落として、状態を正しく見せる。曲がりやひびなど気づいている不具合は隠さず伝える。手間はかけても、お金はかけすぎないのが基本です。
足回りの評価は業者の販売ルートによって重さが変わることがあるため、1社の指摘だけで判断せず、複数の買取店の金額を並べてから決めましょう。